view event/oasis2017/idol/red3.txt @ 3362:3807cbca3fcd

img
author KASHIWAGURA Aya <c115046@?.koeki-u.ac.jp>
date Tue, 25 Jul 2017 13:07:15 +0900
parents
children 9acf5dc8ae65
line wrap: on
line source

1 <p>会場を盛大に巻き込んだフェスが終息を告げる。<br>時刻は午後20時を回
り、ステージを囲む屋台にも明かりが灯っていた。
2 <p>丸一日かけた今回のイベントは、地元アイドルの将来を自分たちが決める
というファン参加型であったため、<br>例年よりも多くの観客が、そして予想以
上の盛り上がりを見せた。
<br>裏で控える彼女たちも、観客たちもみんな満ち足りた笑顔で最後の時を待つ。
</p>
3 <p>「いよいよだね、あかり」<br>
「うん・・・。あぁ、どうしよう。緊張してきた!」</p>

4 <p>不安そうに両手を頬に当て、その場にうずくまるあかり。<br>だが、彼女
の目はしっかり前を見据えており<br>絶対の自信があるのが見て取れた。</p>

5 <p>「皆さまお待たせしました!いよいよ港ライブフェス優勝者が決定しま
す!!」<br>

司会の煽りが会場のボルテージを最高潮まで引き上げる。<br>三人ともそれぞれ
の持ち味を生かし、各会場で驚くほどの輝きを放っていた。<br>この様子であれ
ば、誰が全国デビューしても他のアイドル達と対等に戦えるだろう。</p>

6 <p>ドラムロールが鳴り響き、港中がピンと張り詰めた空気に代わる。<br>会
場を彩る白、赤、青、三色のペンライトもぽつぽつと消え<br>周囲が黒で塗りつ
ぶされる。<br>唯一の光源は今自分たちが控える特設会場のセンターのみ。
<br></p><p>「さぁ、今夜華々しく全国デビューを飾るのは――――!!」</p>

7 <p>「日和山あかり!」</p>


8 <p>「さぁ、行っておいで」<br>「うん!」<br>ステージに飛び出した彼女は
誰よりも楽しそうに、そして今まで一番輝いていた。</p>

yatex.org