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author KOMATSU Kotaro <c118089@roy.e.koeki-u.ac.jp>
date Fri, 29 Nov 2019 14:46:15 +0900
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1 <p>あれから何度かライブを重ねていき、彼女の芯の強さが垣間見えてきた。<br>初めよりファンも着実に増えてきている。<br>だが、本人はまだ緊張が抜けていないようで・・・</p>

2 <p>「お疲れ様、さっきのライブ惜しかったね」<br>「すいません……。自分なりにやってみようと思ってみたんですけど」<br>はぁ、と重く冷たいため息が白鳥の口から零れる。</p>

3 <p>先ほどのライブで、見かけた応援うちわに描かれた全てをこなそうとしたのだが<br>そちらへ意識が行き過ぎて歌詞を忘れてしまうということがあったのだ。</p>

4 <p>「私本当なんの取りえもなくて。こんなんじゃ全国デビューなんて無理、ですよね」<br>「そんなことないよ。むしろ、君のそういう謙虚さが皆を惹きつける魅力だと自分は思うな」<br>「そう・・・なんでしょうか?」</p>

5 <p>うつむく彼女の重い空気は晴れない。普通であることは何一つとして悪いことではない。<br>なにしろ、会場に集まったファンだって彼女の言う普通の人が多いし、<br>だからこそ彼女には彼らの視点に立ったパフォーマンスが行える。<br>もっと自信を持っていいのだ。</p>

6 <p>そういい労わるように彼女の頭を撫でると、ぎこちない笑顔が浮かべ一度だけ頷いた。<br>まだ、自信はないようだが、必ず気付く時が来るだろう。<br>ここに集まったファンが彼女自身の持ち味を証明しているのだから。</p>

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